龍泉寺自然を守る会の活動

2019年度の活動報告

2019年4月6日 次年度の事業計画を決める総会を開きました。
昨年まで5年間に続けてきました子供連れ家族を対象にした「紅葉スタンプラリー」は大変講評でしたが、運営に必要な約50人のスタッフの確保は難しく昨年度を持って終わりとしました。
龍泉寺の自然を守る会の10周年記念として、電子書籍「岡山市の小さな自然再生~龍泉寺の自然を守る会10年の歩み(仮題)」を1年をかけて会員の手作りで制作致します。
この書籍の企画は、“岡山県民の皆様に身近に豊かな自然が残されていることを知っていただき、地域の皆様が担い手になって次世代に渡って貴重な生物が保護されていくこと”を期待しています。

2019年4月8日 湿地の池、溝、水溜り、泥の中にどのような生物が棲んでいるか調査したことがありませんでした。龍泉寺の生物多様性を解説するデータを得るために水辺の生物調査をおこないました。
捕獲した生物が何であるか同定できないので、岡山自然保護センターなどで講師をされている山田勝先生にご指導をお願いしました。

トンボ池湿地の溝を探索するメンバー

捕獲した生物の同定、先生から解説


種々のヤゴ、オタマジャクシ、エビ、メダカ、ドジョウ、甲虫などを捕獲しました。観察ケースに入れて、先生から種名と識別の特徴を教えていただきました。確認を終えた生物は元の場所に返しました。
龍泉寺の湿地の周辺で多くのトンボを見かけます。トンボは成虫の期間より幼虫で水辺で生活する期間のほうが遥かに長く、湿地を維持し後世に残す重要性がここにもありました。
大変有意義な一日でした。

2019年4月13日 電子書籍「岡山市の小さな自然再生~龍泉寺の自然を守る会10年の歩み」制作の第1回編集委員会を開催しました。

2019年4月27日 第2回編集委員会を開催しました。

観察会のために、観察路の草刈り

2019年5月11日 午前中、5月例会を行いました。
午後から、こい岩湿地、上こい岩湿地、サギソウ湿地、もみじ谷湿地、トンボ池湿地の観察路の草刈りをしました。

2019年5月17日 山陽新聞岡山市民版に「初夏の湿原彩るトキソウ」の記事が掲載されました。


2019年5月19日 トキソウ観察会を開催しました。会員を含めて17人の参加がありました。Oniビジョンの取材がありました。

トキソウを撮影する参加者を撮影するCATV

トキソウの群落(こい岩湿地)


パンフレット「龍泉寺の自然」をテキストに解説し、龍泉寺の自然を紹介したDVDを見た後に、トンボ池湿地、もみじ谷湿地、サギソウ湿地、上こい岩湿地、こい岩湿地を観察して回りました。トキソウの開花は例年より遅れていましたが、観察会の日には昨年以上のトキソウの群落を観賞できました。

ハッチョウトンボを探す観察者

ハッチョウトンボのメス(サギソウ湿地)


サギソウ湿地でハッチョウトンボを観察できました。今年は、ハッチョウトンボの初見日が遅く、個体数も少なかった。すでに湿地は乾燥しており、このまま雨が降らないと、ヤゴが生きていけないことを心配しています。
午後から第3回編集委員会を開催しました。

2019年5月24日 第4回編集委員会を開催しました。

湿地に入る方への警告(サギソウ湿地)

2019年5月29日 早朝に写真撮影にこられる方がおられます。おそらく、ハッチョウトンボの羽化か、翅に付着する朝露のトンボの写真を狙っているのと思います。湿地の中には絶対に入らないで下さい。
草を踏み倒すとハッチョウトンボがとまる草が無くなり身近に寄ってきません。後から撮影にこられた方の撮影場所を壊しています。また、サギソウが芽を出しています。“自分だけ狙いの写真が撮れれば・・”のエゴで湿地に入るのは止めてください。マナーを守って、みんな気持ちよく。


2019年6月9日 山陽新聞岡山市民版にハッチョウトンボ紹介の記事が掲載されました。

守安先生の「トンボの話」を聞く参加者

2019年6月9日 ハッチョウトンボとノハナショウブ観察会を開催しました。会員を含めて27人の参加がありました。
今回は特別に守安敦(つとむ)先生の「トンボの話」がありました。先生は、岡山県を代表するトンボ研究者のお一人です。岡山県レッドデータブックのトンボの項を執筆されています。
ハッチョウトンボの生態を中心にお話がありました。ハッチョウトンボは本州・四国・九州に生息していて珍しいトンボではないが、生育できる環境は限定され、最近減少してきている。湿地を保全しないとハッチョウトンボが棲めない環境になる。湿地を良好な状態で維持することが大切です。


トンボ池湿地での観察

ノハナショウブ(トンボ池湿地)


トンボ池湿地でトンボとノハナショウブを観察しました。気温が低かったためか、トンボの出現が少なかった。トンボ池では、ガイドの方が生態系の変化について説明しました。十数年前に植えた数株のスイレンが、トンボ池を埋め尽くしてしまいました。以前は、ジュンサイの池で2012年頃までは京都の業者が池にボートを浮かべて、料亭用の食材としてジュンサイの芽を取りにきていました。2016年に数株のジュンサイを確認したのが最後で、以後見かけなくなりました。良かれと思っておこなった人の行動が、自然の生態系を壊した例として説明しています。
ハナショウブの原種であるノハナショウブが咲き始めていました。

ハッチョウトンボを探す参加者(こい岩湿地)

ハッチョウトンボを撮影する参加者(サギソウ湿地)


上こい岩湿地でノハナショウブとヒメミクリを観察しました。こい岩湿地では、トキソウを観察することができました。この時期にトキソウの花を観察できるのは珍しいことです。
ハッチョウトンボを探していた参加者が、名前を知らないイトトンボを見つけ、守安先生にたずねました。先生から“ホソミオツネントンボです。冬も成虫で越冬できる数少ないトンボです。” ホソミオツネントンボは龍泉寺で初めて確認した種で、写真撮影しようとしましたが、草むらに入り見失いました。
サギソウ湿地でのハッチョウトンボの観察と写真撮影に多くの時間をあてました。今回は一眼レフタイプのカメラを持参した方が多く、熱心に写真撮影をされていました。

ハッチョウトンボのオス(サギソウ岩湿地)

ハッチョウトンボのメス(サギソウ湿地)


ハッチョウトンボの出現数は、昨年のピーク時の三分の一です。今年は雨が少なく、サギソウ湿地は一部を除いて乾燥し、かなりの数のヤゴが死滅したものと思います。
観察後、休憩所に戻り、守安先生への質疑応答がありました。参加者から多くの質問が寄せられました。有意義な観察会でした。

午後から、第5回編集委員会を開催しました。

木道橋用の天板に防腐剤塗布作業

2019年6月17日 こい岩湿地の西側の木道橋用の天板に防腐剤塗料を塗りました。

2019年6月29日 第6回編集委員会を開催しました。

2019年7月21日 第7回編集委員会を開催しました。

2019年8月3日 第8回編集委員会を開催しました。


2019年8月4日 3年間、メリケンムグラの除去作業を行っていますが、根絶できません。メリケンムグラの湿地への侵入を阻止するために、毎年除去作業続ける以外に方法がないようです。

こい岩湿地の近くでメリケンムグラの除去作業

夏の草刈り作業


2019年8月10日 湿地の観察路を中心に夏の草刈りを行いました。暑さでぶっ倒れないように、朝7時から草刈りをしました。

2019年8月15日 日本緑化センターの機関誌「Green Age」の8月号特集“できることから始める小さな自然再生を考える”に執筆依頼され、寄稿した「湧水型湿地の再生とその後の10年の歩み(岡山市)」が掲載されました。

2019年8月18日 サギソウ観察会を開催しました。会員を含めて35人の参加がありました。今年も足守山野草の会の方などの丹精こめて育てたサギソウを展示しました。

休憩所の中央に並べたサギソウ

サギソウを観賞する参加者


サギソウは人気が有り、家庭で育てている方がおられます。自然の中で生育する野生のサギソウと植木鉢で育てたサギソウを見ていただきました。啓発活動として、サギソウを育てる方に守っていただきたいことをお話しました。①野生のサギソウを盗らないこと。(絶滅の原因)②サギソウを育てて増えた球根を野生に戻さない。(遺伝子レベルで異なり交雑の原因)

サギソウとハッチョウトンボを観察(サギソウ湿地)

サギソウとアギナシを観察(こい岩湿地)


サギソウ湿地に数匹のハッチョウトンボが生き残っていて、サギソウとともにハッチョウトンボを撮影されていました。こい岩湿地ではサギソウ、アギナシを観察しました。花穂を伸ばしはじめたミズトンボも観察できました。

サギソウ (サギソウ湿地)

アギナシ (こい岩湿地)


サギソウの開花は7月31日でした。今年のサギソウは、一度に咲くのではなく、陽あたりや湿潤度などの微妙な違いにより、個体により開花時期が異なり長期間楽しめそうです。
イノシシが夏に湿地を荒らすのは少なかったのですが、今年は荒らされ、開花したサギソウが踏まれる被害がありました。人が湿地に入ると踏み固めてしまいますが、イノシシは表層をひっくり返して耕す形態なので、サギソウが生えなくなることはありません。

午後から第9回編集委員会を開催しました。

2019年8月25日  守安 敦先生とトンボの調査を行いました。

編集委員会の風景

2019年8月23日 重井薬用植物園の片岡博行園長が参加して、第10回編集委員会を行いました。
片岡先生には、執筆途中の湿地関係と野草の章を見ていただきました。先生に監修依頼している章が編集できしだい持参して校正をお願いすることとしました。
数年間湿地の水質を測定していないので、現状把握のため、持参された簡易電気伝導度計で湿地とトンボ池・長池の電気伝導度を測定していただきました。トンボ池・長池ともに水質は悪くないことがわかりました。


2019年9月7日 例会後、第11回編集委員会を行いました。

2019年9月8日 山陽新聞日曜ワイド版に、「龍泉寺の自然を守る会結成10年、電子書籍刊行も計画」の記事が掲載されました。

誘蛾灯による蛾の調査

2019年9月14日 倉敷同好会の蛾の先生から、龍泉寺で蛾の調査をしたいとの申入れがありました。 蛾は夜行性で、誘蛾灯に集まってくる蛾を採取します。蛾には興味はありませんでしたが、どのような昆虫が誘蛾灯に集まるのか興味があり、ご一緒させていただきました。この日は、蛾以外にカメムシ類が多く、セミ・オオスズメバチも飛んできました。

2019年9月21日・10月5日・21日 第12回・13回・14回編集委員会を行いました。


2019年10月28日 サギソウ湿地でモウセンゴケが生育するエリアおよびハッチョウトンボの羽化が見られるエリアにカモノハシが増えてきました。このエリアのカモノハシを根こそぎ取り除きました。
2013年にも同じ作業を行い良好な結果が得られています。

観察路の草刈り (トンボ池湿地)

カモノハシの除去 (サギソウ湿地)


2019年11月2日  例会が終了した後、午前11時から観察路など湿地周囲の草刈りを行いました。トンボ池・もみじ谷湿地のセイタカアワダチソウを除去し焼却しました。
こい岩湿地のモウセンゴケが生育するエリアのカモノハシを株ごと抜き取りました。こい岩湿地のピットの土砂を取り除きました。

2019年11月18・30・12月14・21日 第15~18回編集委員会を行いました。

2019年11月24日 2012年12月に設置しました「こい岩湿地西側木道橋」が老朽化したので、龍泉寺さんで木道橋の取替えをしていただけました。

木道橋取替え用 天板・梁・杭

木道橋取替え工事1 (こい岩湿地西側木道橋)


この木道橋は、2017年3月に取替えた東側木道橋より天板の板厚が厚く、住職の話では10年は持つとの事でした。ご提供いただきありがとうございました。

木道橋取替え工事2(こい岩湿地西側木道橋)

取替えが完了したこい岩湿地西側木道橋


2019年11月22・23・29日・12月7日 湿地の保全作業で最も重要な冬の草刈り、刈取った草の搬出作業を行いました。草刈りは22・23・29日の3日間で、草の搬出は7日に9人で行いました。

草刈り作業 (上こい岩湿地)

刈り終えた こい岩湿地


7日午前中、こい岩湿地の草の搬出、午後から上こい岩湿地・サギソウ湿地・もみじ谷湿地の草の搬出を行いました。昨年より、こい岩湿地の草丈が長く・草の量が多いように感じました。

枯草の搬出中に見つけたカヤネズミ

刈取った草の搬出作業 (こい岩湿地)


上こい岩湿地の枯草を搬出する時にカヤネズミを見つけました。こい岩湿地で毎年のようにカヤネズミの巣を見かけますが、成体を見たことはありませんでした。来年は子年(ネズミ年)です。日本で一番小さいネズミに遇えて良かったです。

2019年12月14日 サギソウ湿地で、ハッチョウトンボが羽化するエリアが乾燥しないように、土嚢などで溝の水の一部が迂回するように変更しました。

丸木からコンクリートのプレートに交換(サギソウ湿地)

2019年12月21日 サギソウ湿地の南側の足元が悪いエリアに切株のように切断した丸木を踏み板として使用していました。以前から丸木が湿ると滑りやすく危険と感じながらそのままにしていました。
代替品を探していましたところ、表面にスリットを入れて滑り難くしたコンクリート製のプレートがありましたので、交換しました。


電子書籍を収録するCDのジャケット制作

2020年1月13日 年末・年始を利用して、書籍の校正を繰り返し行いました。正月明けから、PDFの「目次」や「しおり」から該当ページに飛ぶように、リンクを貼りました。
電子書籍はCD-ROMに収録して頒布することにし、第19回編集委員会で手作りでCDジャケットを制作しました。第一次として、電子書籍「岡山市の小さな自然再生~龍泉寺の自然を守る会」を約200冊制作しました。


電子書籍のジャケットとCD

2020年1月24日 龍泉寺の自然を守る会発足11周年の2020年1月24日を、10周年記念誌「岡山市の小さな自然再生~龍泉寺の自然を守る会10年の歩み」の発行日としました。
国公立図書館:5件、行政関係:6件、自然保護関連団体:6件、公民館:2件、岡山ESDプロジェクト参加小・中・高校:67件、大学付属図書館:7件、龍泉寺の自然を守る会を支援していただいた関係者:21件、龍泉寺の自然を守る会会員&OB:63件、計177件の団体・個人に、記念誌を進呈しました。

2020年2月10日 第20回編集委員会で、CDジャケット90冊制作しました。

2020年3月1日 新型コロナウイルスの影響で、親睦会で予定していた茶話会は中止し、足守山野草の会のご協力で「サギソウの育て方教室」を行いました。

丸木からコンクリートプレートに交換(こい岩湿地)

2020年3月7日 こい岩湿地・サギソウ湿地の保全作業を行いました。こい岩湿地の北側の観察路は、ぬかるみ、並べた切株の上を歩くようにしていましたが、雨にぬれると滑りやすい状態になりました。山土をいれ、コンクリートのプレートを並べて、歩きやすくしました。サギソウ湿地では、朽ちた杭の交換、冬に刈り残しておいた草を刈り取りました。


山陽新聞おかくら版(2020年3月12日)に掲載された記事

2020年3月12日 山陽新聞おかくら版(2020年3月12日)に、10周年記念誌(電子書籍)「岡山市の小さな自然再生~龍泉寺の自然を守る会10年の歩み」の紹介記事が掲載されました。
正会員・賛助会員の会員は、50人弱ですが、実際に保全活動をしているメンバーは10人前後で高齢化してきています。5年前から保全活動に参加できる方の加入に力を入れてきましたが、思うようにいきません。このままでは、数年で湿地の保全活動ができなくなると危惧しています。
「龍泉寺の自然は、生物多様性に富んだホットスポットで、岡山市の自然遺産として後世に残す価値がある」ことを、この電子書籍で広く紹介し、「保護活動が後輩に受け継がれる願い」を込めて電子書籍を制作しました。
保全活動に参加していただける方・会の中心となってリードしていただける方・事務局を担当していただける方など、積極的に参画していただける方を求めています。



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