岡山県自然保護センターが運営するタンチョウの自然生育実験場(つるの里 槻)は、2011年12月にタンチョウの野外行動調査が完了し閉鎖されました。
このページに掲載しているタンチョウの自然生育記録は2007年のもので、今では貴重な資料になっています。このページは、タンチョウの子育て記録として、今後も掲載いたします。


タンチョウ つるの里 槻 (つき)を探して

大阪に住んでいる子供から、「NHKテレビのニュースで、岡山県で「タンチョウの雛」が生まれたことを放送していた」との話を聞きました。場所は岡山県総社市下倉 槻の高梁川中州で自然飼育をしているとのことです。
180号線で総社市から高梁川沿いに北上し、下倉橋を渡って右へ回りましたが、それらしき場所はありませんでした。中国電力の方がおられたので尋ねると、「タンチョウの自然飼育場は知らない。この先は、採石場で行き止まりだよ」との返事でした。先ほど渡った下倉橋を戻り、180号線をさらに北へ車を走らせました。それらしき中洲は見当たりません。

どうも行き過ぎたようです。右手にセブンイレブンのコンビニがあったので、そこで自然飼育場がどこか聞くことにしました。店員さんは、丁寧にそして誇らしげに、「タンチョウの赤ちゃんが生まれているよ。少し引き返すと、新しい橋があるから、その橋を渡ったところ」と教えてくれました。缶コーヒーとおにぎりを買って、コンビニを後にしました。

新しい橋を渡ると左手に、朝市に使うのでしょうかテントやテーブルが置いてありました。そこを左に回ると、タンチョウの模型が置いてあり、来る人を歓迎してくれているようです。後でわかったことですが、この橋は平成16年3月に竣工し、橋の名前を「つき(槻)おおはし」といいます。私の地図が少し古くて、この橋は記述されていませんでした。ちなみに槻は、この集落の地名で、総社市大字下倉小字槻のようです。少し行くと山積みされた砕石の間にタンチョウのケージと世話をする人のプレハブがありました。駐車場には、車が5~6台とまっています。


つるの里 槻 (つき)

岡山県自然保護センターが運営するタンチョウの自然生育実験場で高梁川の中洲にあります。岡山県総社市下倉(小字)槻の高梁川の中洲(河川敷)で、平成10年から自然飼育の実験を始めています。それ以後、地域ボランティアの協力を得て、自然を残しながらタンチョウが生育しやすい環境を整えてきています。ボランティアグループ「高梁川とタンチョウを愛する会」では、高梁川がつくりだす里山の自然をタンチョウと共に保護していく活動をされています。
岡山総社インターから西、北へ19Km
倉敷インターから北へ 23Km 180号線から「つき大橋」渡った所

登録有形文化財の伯備線 美袋駅舎

つるの里 槻(つき)」へは、電車で行けます。
伯備線美袋駅を降りて、1.5Km、徒歩25分で、つるの里 槻に着きます。

倉敷駅から美袋駅まで、電車で25分
美袋駅から「つるの里 槻」までの地図

伯備線 美袋駅の駅舎は、伯備線倉敷-美袋間が開通した1925年(大正14年)の完成で、木造平屋の切り妻造の屋根、外壁板張り構造です。
大正末期の標準的な駅舎の好例として、国指定の登録有形文化財の指定を受けます。
登録文化財の美袋駅舎から、高梁川の対岸に「つるの里 槻」を見ながら堤防沿いの道を歩き、「つき大橋」を渡って、「つるの里 槻」までのJRを使った散策コースもお勧めです。

タンチョウの親子を初めて見て

飼育場の入り口には、靴底について鳥インフルエンザ等の菌を持ち込まないようにするために消毒液を入れたバットが用意されていました。家族づれを含めて10人ほどの方が来ていました。大きな望遠レンズを用意した写真愛好者の方が3人こられていました。
河川敷きに高梁川と山からの湧き水の湧く池があり、そこから小川となって高梁川へと水が流れています。50mほど離れた対岸にタンチョウが2羽いました。自然な環境でのタンチョウを見るのは初めてです。左が最初にとった写真(2007年6月11日撮影)です。
雛の姿がどこにも見当たりません。隣の方にお聞きすると、雛はお疲れで草むらの中で休んでいるとのことでした。
しばらくすると、雛が草むらから出てきました。
このときから、タンチョウの親子に魅せられて、週1回のペースの「つるの里 槻」通いが始まりました。雛の成長の記録とタンチョウの家族を観察しようと思い立ちました。

岡山県自然保護センター

消え行く里山の自然を積極的に残し、子供から大人まで自然の良さを感じてもらうために、岡山県が平成3年に、和気郡和気町田賀に建設しました。
岡山県自然保護センターは、大きな2つの池を中心に、山間を利用して、自然観察の森、昆虫の森、昆虫の原っぱ、湿生植物園、野草園、タンチョウの飼育施設、センター棟を備えています。

岡山県とタンチョウ

江戸時代から昭和18年頃まで、後楽園にタンチョウが飼育されていました。昭和31年に中国科学院院長の郭沫若氏から、後楽園にタンチョウ2羽の贈答を受けたことが、飼育再開のきっかけになっています。現在では、岡山県自然保護センターを中心に60数羽のタンチョウが飼育され、繁殖、自然育成などの調査研究が行われています。天然記念物のタンチョウの生態を身近に観察することができます。

岡山県自然保護センター

タンチョウの子育て(その2)


non object